2010年11月28日

メール炎上

数か月の戦いが終わった。
ブログはともかく、仕事にも支障をきたした。

しかし、会社公認の戦いとなったことで多少の精神的援護にはなった。

「頼む。何とか丸く収めてほしい。少なくとも周りに飛び火させないように。」

ある著名人とメール上でバトルを繰り広げた。
といっても一方的に攻撃を受け、防戦するだけだが。
しかもそのバトルはCCという機能を使ってリアルタイムで社内に伝えられた。

誰かは書けないが、その相手は「パーソナリティ障碍者」だった…。



最初にその人に会ったときは、まさかこんなことになるとは思わなかった。

知名度、実績は申し分ない。
声も良い。
実際会ってみて人柄も良さそうだ。

今度の舞台を任せよう。
そう決めて企画を立て、日時と会場を押え集客を開始。
満席になるまでそう時間はかからなかった。

「会場・日時決まりました。
すでに満席です。
よろしくお願いします。」
「そうですか…。できればお断りしたいのですが。」
「えっ?」

何言ってんだ?断る?

「いや、一丁目のせいちゃんさんがやってくれというのならやりますが、やめてもいいです。
…。私がやると全体の品質を下げることになるかもしれません。
あっ、いやお任せします。」
「…。やめるわけにはいきません。
満席でお断りしている人もいるぐらいですから。」
「…。」
「打ち合わせをしたいのですがご予定は。」
「いろいろ忙しいので会いたくありません。
いや、時間がないので、メールでお願いします。」

何かがおかしい。
なんか違和感がある。


しばらくして同僚から連絡があった。

「ごめん。
ちょっと怒らせたみたい。」
「何したの?」
「別に…。セリフの読み方が違うことを指摘した…。
今度の舞台のセリフに●●っていう言葉があるでしょ。
その漢字を間違って読まれると困ると思って…」
「そういえば何時も間違った使い方してるか。
気にならないけど。」
「そう。日常会話では気にならないけど舞台だから…。」
「でも、そんなんで怒るか?」

違う。
怒らせたのが原因じゃない…。
でも何だろう?

…………

「ちょっと、大変です!
メールが炎上してます!」
「どうしたの?」
「手違いがあって立ち稽古の時間を30分早めて欲しいって連絡したんです。」
「で?」
「そしたらそれはそっちの都合だから断るって。」
「いいじゃん。遅れてくるってことでしょ。」
「そうなんですけど、それだと<自分が遅れてきたように思われる>とか<私に責任はない>とか意味が分からないことを延々と書いてきてるんです。」
「ちょっと見せて」
「一丁目のせいちゃんにもCCで送信されているんじゃないですか?」
「ほんとだ…。」

うぅーん。
なんじゃこれ?
感情のおもむくままに書き散らかして何言ってんだかわかんないな。
どこまで続くんじゃ。
この人暇なのか?

一言でいえばスケジュール通りやれってことか。

でもここまで労力かけて抗議することか?


「じゃぁ、返信は引き受ける」
「ありがとうございます。」

そして舞台終了までの数か月間の戦いが始まったのだった。

一日に数通の長文メールが届く。

そのほとんどが人に対する非難と攻撃、そして自分のスケジュールや段取りを乱すなということについてだ。
他人のスケジュールや段取りを変更するのは良いが、自分については許せないのだ。

こっちは舞台を降りられたら困るのでとにかく刺激しないように細心の注意を払って返信する。

しかし、必ずどこか粗を捜し、そのことについてメールを返してくる。
いくつかのメールは無視した。
ところがメールを無視するのは無礼だとまた新たな火種ができる。

「大丈夫?この人ちょっとおかしくない?」

メール内容は他者に丸見えだ。
時々慰問者が訪れる。

「そうだね。おかしいよ。
この人は脅迫性パーソナリティ障害の持ち主だ。
やっとわかった。」

メールの言葉の端々にそのことが垣間見れる。
そして自分が障碍を持っていることを理解している。
そしてそれに苦しんでいる。
人には悟られたくないので徹底的に自分を防衛する。
そのことでますます人が遠ざかる。

旅行をするにも必ず下見に行き、どこに何があるかを確認する。
リスクを回避するため徹底的に事前準備を行う。
セリフのような決まったことは得意だが、ジャズのような会話は恐怖だ。
曲がったことが嫌いで責任感が強い。
少し周りに迷惑をかけるが仕事を完璧にこなそうとする。


相手がわかれば対処の仕方がある。

「メールのほうはこっちに任せて。
それからスケジュールや段取りはできるだけこの人に合わせて。」
「でも…」
「大丈夫。
この人は人一倍責任感が強い。
仕事もきっちりこなす。
舞台の成功に全力を尽くす人だ。」
「稽古に来てもみんなと会話もしないし、食事も一緒にしない。
チームワークが大事なのに…。」
「みんなには普通の人に見えるからだ。
でも彼は障碍者だ。そのことはみんなに伝えておくよ。」


メール攻撃は続き、こっちは防戦する。
とにかく舞台が終わるまでの辛抱だ。

「あなたたちは私を異常者だと思っているでしょう。
でも、私はそのように演技しているだけです。
これまで私はあなたに攻撃をつづけました。
でも舞台が終わればあなたは反撃に出るでしょう。
お見通しです。
宣戦布告なら私は受けて立ちます。議論は大好きですから」

「もう少しで終わりますね。
私は貴方と戦うつもりはありません。
舞台一緒にがんばりましょう。」

戦いは終わった。

おそらく二度とこの人と仕事をすることはないだろう。
自分が良くても周りが許さないだろう。

「一丁目のせいちゃんはストレス耐性が高いですねぇ」

おかげで少し「パーソナリティ障害」について詳しくなった。
そういえば『パーソナリティ障害』(PHP新書)の「脅迫性パーソナリティ障害」を本屋で立ち読みした。

「そのままじゃん」

人は外からでは人の内側が見えない。

ストレス耐性が高いって?

この数か月、交感神経優位状態が続いてボロボロだよ。


posted by 一丁目のせいちゃん at 12:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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