2010年03月26日

『ほおづき屋』と『あまから』

「社長!伝票ここにおいておきますよ。」
「はぁい、ありがとう」

人形町の民芸品屋<ほおづき屋>の藤山雅代は想像したより若い。

「社長なんですね。」
「昔ね」
「っていうことは、ここ会社?」
「近くに事務所があって、
ここは、うちで作っている商品のショールームってとこね」

  
「本書くって言うんで東野圭吾さんが来て色々話したんだけど、
私が言った通りに書いてるんですよ。
『懐かしいでしょ』っていうのが私の口癖なんだけど、
それもちゃんと書いていですよ。」
とニコニコしている。
結構饒舌。

「もしかして、雅代さんって本名?」
「実名なわけないでしょ。私は○×△って言うんですよ。」
「そりゃそうですね。」
「店は<ほおづき屋>って名前じゃないし、
それに、本では呉服屋の娘ってことになってるけど、私は名古屋の紐屋の娘なんだよね」
「紐屋(ひもや)?」
「紙縒(こより)。紙をよって作るやつ」
「へぇー、そうなんですね。」
「そう言えば、今朝も朝から撮影。
そこの商品を全部外に出して・・・」
「大変だったでしょ?」
「美術さんがやってくれるから・・・、
でも朝6時からだから、そっちがね。」

・・・・・・・・・・・・・・

「こんにちは」
「こんにちは」

ちょうど今日の煎餅作りが終わったようだ。
煎餅を焼いた炭を店の外に運び出している。

「全部ここで作ってるんですか?」
「焼いているのはここに並べてあるものだけなんですよ。
草加から持ってきてるのも多いですよ。」
「草加煎餅?」
「もともと草加から来たんですよ」
「へぇー。」

奈穂と思われる娘さんと色々と話した。

「じゃぁ、ここで焼いてる・・・、これとこれ下さい。」
「ありがとうございます。」
「そういえば、
この辺でお店の中でお茶を飲みながらお煎餅を食べられるような店はあります?」
「このあたりにはないかなぁ」

あっ、マヨネーズ入り煎餅買うの忘れた・・・
(でも店にそんなのあったかなぁ?)

ちなみに<これとこれ>とは
『手焼き煎餅 三木助が金庫に隠した煎餅』と
『おこげ 第十七世・中村勘三郎丈が愛した手焼き煎餅』

・・・・・・・・・・・・

「今『新参者』の撮影やってるの知ってます?」
「え?知らない・・・。『しんざん?』」
「『新参者』です。
東野圭吾のミステリーをTVドラマでやるんです。」
「へぇー、知らなかった。
どんなストーリーなんですか?」
「小伝馬町のマンションで斯く斯く云々。
人形町が舞台なんですよ斯く斯く云々。」
「そう言えば、
そこの飲み屋なんか客がいるのに夫婦喧嘩してんだよね。
客なんて見えてないって感じ。」
「客も見て見ぬふりしてるんだろうね。」
「『新参者』と同じ人情の世界なんだ、やっぱり。」

 

posted by 一丁目のせいちゃん at 21:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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